相続・遺言関係

自筆証書遺言

Q.わたしも高齢になり、そろそろ遺言を書こうかと考えています。家族は、娘と息子がおりますが、財産は、自宅の土地建物とわずかな預金です。子供達もそれぞれ自立しておりますので、財産はすべて妻に相続させ、妻が亡くなったあとは、自宅は売却してその代金を子供達で分ければよいと考えています。

遺言書は、書いたら妻に預けておこうと考えていますが、書くにあたって注意しておくべき点はありますか?

回答

まず、遺言書を作成するにあたっては遺言者が15歳以上であること、有効な意思表示ができることということが大前提となります。これは、高齢者が認知症などで、判断能力が低下して意思表示が出来ないにもかかわらず、遺言書が作成され、死亡後にその有効性を争われるケースもありますので、しっかり押さえておきたいところです。

また遺言書は、その様式が整っていない場合には、遺言が無効となってしまうことがあります。公正証書遺言の場合は、公証役場で作成されますので、様式違反で無効となることは、まずありませんが、自筆証書遺言は、様式違反により無効となってしまうケースが散見されます。

<自筆遺言の要件>
①遺言者本人が全文直筆で書くこと。
②日付及び氏名を自書すること。
③印鑑を押すこと(拇印でもよい)

用紙の種類や色、大きさ、筆記具のインクの色や縦書き横書きなどの決まりもありません。

また、ご夫婦の場合必ずしもご主人、奥様の順で亡くなるとは限りませんので、ご夫婦それぞれに遺言書を書いておいた方がよいと思います。また、先後がどちらでも対応できるような内容で「万一、妻がわたしより先に亡くなった場合には自宅は売却し、その代金を長男長女に等分の割合で相続させる~」といったような文言を入れておいて方がよいでしょう。

作成した遺言書は、法律専門家にチェックしてもらう方がよいでしょう。せっかくの遺言が無効になることを防止できます。