相続・遺言関係

相続・相続放棄

Q.先日、夫が亡くなり消費者金融やクレジット会社から多額の借入金があることが分かりました。借金はわたしが払わなくてはならないのでしょうか?払わなくてすむ方法はありませんか?

回答

相続が発生すると、夫の財産(正の財産、負の財産)は相続人が承継します。

相続放棄の手続をとれば、借金を支払う義務はなくなりますが、同時にその他の正の財産(不動産や預金など)も相続出来なくなります。また、相続放棄の手続は、夫が亡くなってから原則3ヶ月以内に家庭裁判所へ申し出る必要があります。 (続きを読む…)

相続・遺言・検認手続・遺留分

Q.わたしの弟が、66才で亡くなりました。弟には20年前に別れた妻との間に娘がひとりいますが、離婚後は音信不通でどこにいるかもわかりません。

弟は、亡くなる数年前から病気を患い、わたしが身の回りの世話をしてきました。弟は、生前から自分が亡くなったら自宅マンションや預金などの全財産をわたし(姉)にあげると言っており、遺言書と書かれた封筒も預かっています。また、今後わたしはどのような手続をとればよいのか教えて下さい。

回答

最初に、遺言書と書かれた封筒は開封せずに家庭裁判所に提出して「検認」という手続を経なければなりません。

検認では、原則相続人である子供さんと相談者(利害関係人)の立会いのもと(立会は必須ではありません)に開封され、このような内容の自筆証書遺言が存在するということが認定され、関係者に通知されます。

この検認手続は、遺言書の有効性を認めるものではありませんが、検認手続をしないと、マンションの名義書換や預金の引出し等の手続を行うことは出来ません。

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遺産分割・特別受益

Q.先日父が亡くなりました。母は数年前に他界して、相続人はわたし(兄)と妹の二人です。父の財産は、わたしと父が住んでいた自宅の土地建物(評価2600万円)と預金が1000万円の合計3600万円ほどです。

49日の法要をすませた頃、妹が遺産分けの話を持ちかけてきました。妹は、「父の財産の2分の1を受取る権利がある。自宅の共有持分をもらっても仕方ないし、この際、自宅を売って半分ずつ分けるしかない」と言うのです。

わたしは納得がいきません。自宅を売るとなれば、わたしの家族は家を出なければなりません。妹は8年前に家を新築する際、父が頭金の1200万円をお祝いとして渡したと聞いており、妹へ振り込んだ預金通帳も見ています。この1200万円は、今回の遺産分けの際に考慮されないのでしょうか?また、わたしは、自宅を出るしか方法はないのでしょうか?因みにわたしは、生前に父から贈与などを受けたことはなく、むしろ父のために妻はパートを辞めて介護をしていました。妹は、月に一度、父の顔を見に来る程度で、何の手伝いもしなかったのに、権利ばかりを主張してくるのです。

回答

まず、生前贈与については、妹さんが受けた贈与は特別受益となり、被相続人の財産の価額に加えられます。(民法903条)被相続人(父)の相続財産は、自宅と預金を合わせた3600万円と生前に妹さんに贈与した現金1200万円を合わせた合計4800万円が基準となり、その2分の1ずつを相続することになりますので、妹さんは今回相続分の2400万円から生前贈与の1200万円を差し引いた1200万円分の財産を受取る権利があるということになります。

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遺言書の検索

Q.先日父が亡くなりました。父は生前「遺言書は書いているから」と常日頃から言っていたのですが、遺品の中には遺言書らしきものが見あたりません。

姉妹に聞いても、預かっていないし、見たこともないというのです。何か方策はありますか?

回答

まず、その遺言が公正証書で作成されていれば、その原本が公証役場で保管されています。

最寄りの公証役場で、お父様が遺言書を作成していたかどうか?どこの公証役場で作成されたか?を調べることができます(全国どこでも)。その際に、お父様が死亡したことを証明する書類と、請求する人とお父様の関係を証明する書類、請求者の本人確認書類等(事前に公証役場に確認してください)を持参する必要があります(検索のみは無料です)。実際にあることが分かれば、作成された公証役場で遺言書を閲覧したり、謄本(写し)を取得することもできます。(有料)

もし、公正証書遺言でなく自筆で作成されていた場合は、遺言書の現物がない以上は、お父様の遺言の内容を実行することはできません。 (続きを読む…)

相続・遺産分割・不在者財産管理人

Q.夫が急死しました。相続人は、妻のわたしと長男、長女です。長男は、5年前に夫と大げんかして家を飛び出したきり、行方不明です。

夫はいくつかアパートをもっており、名義の変更手続やその銀行のローンの手続などを早急に進めなければなりません。相続人の中に行方不明者がいる場合に遺産分割協議はできるのでしょうか?その場合にどのような手続をとればよいのでしょうか?夫は遺言書などは作成しておりませんでした。

回答

相続人の長男が行方不明の場合、長男抜きで遺産分割の手続を進めることはできません。この場合、家庭裁判所に審判で、長男の代わりに財産を管理する、財産管理人を選任してもらうことになります。

この不在者管理人の権限は、あくまで長男の財産についての保存、管理をする権限しかありません。 (続きを読む…)

自筆証書遺言

Q.わたしも高齢になり、そろそろ遺言を書こうかと考えています。家族は、娘と息子がおりますが、財産は、自宅の土地建物とわずかな預金です。子供達もそれぞれ自立しておりますので、財産はすべて妻に相続させ、妻が亡くなったあとは、自宅は売却してその代金を子供達で分ければよいと考えています。

遺言書は、書いたら妻に預けておこうと考えていますが、書くにあたって注意しておくべき点はありますか?

回答

まず、遺言書を作成するにあたっては遺言者が15歳以上であること、有効な意思表示ができることということが大前提となります。これは、高齢者が認知症などで、判断能力が低下して意思表示が出来ないにもかかわらず、遺言書が作成され、死亡後にその有効性を争われるケースもありますので、しっかり押さえておきたいところです。

また遺言書は、その様式が整っていない場合には、遺言が無効となってしまうことがあります。 (続きを読む…)

遺言書

Q.先日父がなくなりました。相続人は長男と長女のふたりです。

父は、公正証書遺言(平成3年)と自筆遺言(平成9年)の両方を作っていました。内容を見てみると、先の公正証書遺言で、「A土地、B土地、C土地を長男に相続させる」とあり、次の自筆遺言で「B土地を長女に相続させる」とありました。この場合、どちらの遺言書が有効なのでしょうか?

誰がどの土地を相続することになるのでしょうか?

回答

遺言書が複数ある場合、後の日付の遺言が、最新の遺言者の意思表示となり、優先します。

ご相談の遺言書の場合は、重複しているB土地は前の公正証書遺言を取消して、長女に相続させると上書きしたことになりますが、重複していないA土地、C土地については、公正証書の遺言が有効となり、長男が相続することになります。 (続きを読む…)

推定相続人の廃除

Q.わたしにはひとり息子がおります。息子は以前から私や亡くなった妻にも再三にわたって暴力をふるい、親戚知人からも多額の借金をして返済もせずに10年前から行方不明です。

わたしも親として他人様に迷惑を掛けられないと思い、借金を肩代わりして返済しました。息子はどこかで生きているとは思いますが、もう関わりたくありません。

わたしも病気を患い長くないと思いますが、私が亡くなったあとは、現在お世話になっている社会福祉法人へ財産すべてを寄付して、世の中のために役立てて欲しいと思っています。

息子に一切の財産を相続させずに寄付をするということは、できますか?

回答

あなたの相続人は息子さんひとりですが、被相続人の意思で相続人の相続権を奪うことができます。

これを「廃除」といい、被相続人に対して虐待や重大な侮辱を加えた場合またはその他著しい非行があったときに、家庭裁判所に相続人の廃除の請求を行います。

これは、遺言書でもすることができます。 (続きを読む…)

負担付き遺贈・遺言書取消

Q.私たち夫婦には子どもがおりません。私の妹の子である甥を小さな頃からかわいがり、夫は「私が亡くなったら、不動産はすべて甥に遺贈する。

その代わりに足の不自由な妻が亡くなるまで自宅に住まわせ、生活全般の面倒をみて欲しい」という内容の遺言書を残して亡くなりました。

その後、遺言書のとおり甥は夫名義の不動産の全てを受取りました。しかし、夫が亡くなってから甥は一向に顔を見せず、私の面倒などみるつもりはないようです。私の面倒をみると夫の前では言っていたのに本当に腹がたちます。どうにかできないものでしょうか?

回答

財産を受け取っているにもかかわらず、甥が受け取るにあたっての義務(面倒をみる)を履行しない場合、まずは甥ごさんに「面倒をみることを条件に夫は不動産をあげたのだから、きちんとやることはやって下さい」という催告をしたうえで、それでも何もしないような場合は、家庭裁判所に遺贈の取消を申立てることができます。

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