ブログ「ひと葉日記」

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遺言書と登記原因②

2015年05月11日

こんにちは。司法書士の岩永加寿美です。

先日書いた記事の続きです。

前回は、遺言書の文言と登記原因のことを書きました。

今日は更にディープな登記申請の際に添付する登記原因証明情報と遺言書の関連についてです。

登記原因証明情報とは、簡単に言うと、申請された登記の内容を裏付ける書面及び資料ということになります。登記原因証明情報には、登記事項である登記原因及び日付、当事者の表示が必要になります。

相続であれば、登記名義人が亡くなった除籍謄本がまず必要になります。そもそも亡くならなければ相続は発生しませんから・・・

次に、遺言がある場合は、遺言書(自筆証書の場合は家庭裁判所の検認されたもの)と不動産を取得する相続人が相続人だとわかる戸籍謄本。

相続人全員の遺産分割協議により一部の相続人が不動産取得する場合は、遺産分割協議書と協議した全員が全ての相続人であることがわかる戸籍謄本。

という積極的に自分が相続人だということ証明することになるのですが….ここからが本題!

遺贈の場合は、遺言書に遺贈の文言があるので、登記名義人が亡くなった除籍謄本と遺言書でいいのですが…

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前回、遺言書の文言で相続人以外の人に相続させると書かれていた場合は登記原因が遺贈になると書きましたが、登記の際に添付する登記原因証明情報はどうなるのでしょうか?

遺贈の場合の登記原因証明情報なのですが、遺言書には遺贈の登記原因が出てきませんので、如何に遺贈を証明するか!?

結局、受遺者(不動産をもらう人)が相続人でないことの消極的な証明でいくしかないようで・・・

登記名義人の生まれてから亡くなるまでの戸籍を全部添付してその相続人の中に受遺者がいないことで相続ではなく遺贈だということを立証することとなるのです。

 

登記原因で相続と遺贈は登録免許税の税率が違います。相続は1000分の4で遺贈は1000分の20。なんと!5倍の差!!だから遺言書の文言が「遺贈する」でも相続人なら積極的に証明するメリットはあるけれど、その逆の「相続させる」が相続人以外の場合は、高い登録免許税なのに、遺贈を証明するための戸籍を沢山準備しなければならない・・というのは納得しにくいもんです。

また、個人情報の問題から受贈者が被相続人の相続人調査のために親族関係にない人の戸籍を取得するのは、かなりの困難だと思います。そのようなケースでは、遺言書で遺言執行者を選任しておくことは必要だと思いました。画像 029