ブログ「ひと葉日記」

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住民票の移動は必要ですか?

2015年08月26日

こんにちは。司法書士の岩永加寿美です。

昨日の台風騒ぎはどこへやら

一転、今日は夏の終わりを感じさせるような、日差しです

 

今日は、住所について調べものをしていて、気になったことがあったので・・

司法書士の仕事をしていると、ひとの住所というものを取り扱う機会は多くあります。不動産登記では、登記簿には住所と氏名が登記事項として記載されますので、住民票や印鑑証明書での住所の確認だったり、相続登記では、被相続人の登記簿の住所と死亡時の住所が異なっていれば、辿っていくこともあります。

 

そもそも住所とは?これは民法22条に定義されていて「生活の本拠」とあります。

では、「生活の本拠」って何でしょう?

 改めて考えると、毎日出掛けて、帰って寝る場所のこと?

だったら、色んな疑問が生じてきます。

例えば、単身赴任のお父さんの住所は?とか遠方の学校に進学でして、学校近くの寮などから学校に通う学生の住所は?とかホテル暮らしの芸能人の住所は?などなど…

住民票の登録の事務については、住民基本台帳法という法律に規定があります。

住民登録の事務は、市区町村単位で行っていますのが、基本的には届出人が私の住所はココですと届出がされれば、特段の事情がない限り、居住実態の調査などはしません。

ただし、皇居の住所に住所を置こうとすれば不受理になるでしょう(本籍は皇居に置けます)

話が脱線しましたが、話の中心を先程例に挙げた学生の例を考えてみると、

その学生さんは、卒業まで4年の間、学校に通う為に近くの寮を借ります。1週間のうち5日は学校に通い、土日もアルバイトで、地元に帰る機会も年に数回という場合だとすると、生活の本拠はどこだと思いますか?一方、同じ状況ですが、ほぼ毎週末地元に帰っている学生さんではどうでしょう?

ポイントは、1年以内に帰る見込みと生活本拠の解釈と、線引きはかなり曖昧です。

しかし、古い判例ですが昭和29年の最高裁で学生の住所について、寮が生活の本拠で住所であるという判決もありますので、事案ごとに判断すべきだとは思います。

一応、住所を移動したのに届出を怠っている場合には、罰金が課せられるともされています。

ここ最近、マイナンバー制度の発足に伴い…という大義名分のもと、一律に学生さんの住民票を寮などに移動するよう促されているようですが、憲法と同じく、条文変えないまま解釈の変更で押し通そうとしてないですか?と何かの思惑を勘ぐってしまいそうになります(ー ー;)

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