成年年齢の引下げ
2022年4月1日より、日本の成人の年齢が18歳以上になります。私は20歳でもいいのでは?と思っていましたが、OECD(経済協力開発機構)加盟国全38か国のうち、成年年齢がいまだ20歳なのは日本とニュージーランドだけのようで、他の国はほとんどが18歳なのだとか・・・
先日テレビのクイズ番組でも、成年年齢の引下げで、できることできないことなどが出題されていましたが、実際に何がどう変わるのでしょうか。
今回はそれについて、ちょっとだけ書いてみたいと思います。
まず日本政府の広報オンラインでは、「18歳から親の同意がなくても契約ができる」ということが最初に書かれています。
今現在でも親の同意がなくても契約自体はしようと思えばできます。ただ未成年者取消権(民法5条2項)があったため、親の同意がなく契約すれば、契約自体が取り消される可能性があるため、契約会社のリスク上、携帯電話の契約や、アパートなどの賃貸借契約は親の同意がないと契約ができないことにされていました。
18歳で親の同意がなくても契約できるということは、逆に言えば18歳で未成年者取消権が行使できなくなったということなのです!
この改正により、消費者金融でのローンの契約や、クレジットカードの作成も同意不要事案の対象となり、便利な反面、消費者トラブルの増加が懸念されています。
子の親としては、高校卒業したばかりの我が子がいつの間にかローンを組んでたりしたら・・・と考えるとゾッとします。
次に、司法書士のお仕事的には、会社の設立の際に未成年者が発起人となる場合、定款認証の際に法定代理人(両親)の同意書、印鑑証明書、親子関係を証明する戸籍謄本、別居の場合は住民票と、普段は必要のない書類が増えることになります。また、未成年者が取締役になる場合も同様の書類を法務局へ提出する必要がありますが、4/1からはこれらの書類が不要になります。
他にも、相続の際に18歳でも遺産分割協議に単独で参加することができるようになり、親と利益が対立している場合でも家庭裁判所に特別代理人の選任を申請する必要もなくなります。
このように、ちょっと書きだしただけでも色々な所で影響がでてくるのですが、わたくし的には、消費者トラブルに子供たちが巻き込まれないように、義務教育からもっと法律を授業に取り入れてもらいたいなと考えさせられる今回の民法改正でした。