役員の変更登記
Q.平成16年に株式会社を設立して代表取締役社長をしています。
設立してからこれまで、役員の入れ替わりはなかったので特に登記はしていませんでした。役員の1人が辞任して後任者を選任したため、法務局へ登記の申請を行い無事完了しました。数ヶ月後、突然罰金の支払い通知が届き驚きました。どういうことなのでしょうか?
また、これは前科になるのでしょうか?
回答
平成18年会社法施行前の株式会社は、定款変更をしていない場合、役員の任期は、取締役は2年、監査役は4年となっています。役員の変更登記は、役員の入れ替わりがなくても、任期満了により同じ役員を選任した(重任)場合でも、その都度法務局へ役員変更登記を申請しなければなりません。
ご相談の会社の場合は、平成16年の設立から平成26年までずっと登記をしていないということですから、5回の役員変更登記をしていないことになりますので、会社法976条1項1号により、過料に処せられます。過料の金額については、裁判所が100万円以下の範囲で決めるのですが、この基準は明らかではありません。(ケースによってまちまちです)
この過料は、登記申請があった後に、登記官が裁判所に対し通知し、裁判官が過料の決定をして会社の代表者に通知されます。通知が来たら会社代表者は、速やかに過料の支払いをしてください。
この過料については、会社の損金に計上することはできませんので、くれぐれも役員変更登記を忘れないように注意してください。また、過料は行政罰による過料ですので、前科になることはありません。