報酬は安い方がいいですか?
こんにちは。司法書士の岩永加寿美です。
今日の福岡は雨模様一雨ごとに秋が近づいて来ますね
今日は、司法書士の報酬について、ちょっと書いておきたいと思います。
登記の場合、司法書士が出す請求書には、登録免許税や証明書などを取得した場合の実費が含まれていることが多くあります。
これらは、法務局だったり役所へ支払うお金で、依頼者に代わって納付しています。
司法書士の報酬額より登録免許税などの実費の方が高いことが多いです。
しかし、依頼者は法務局へ納付したという意識ではなく、司法書士に沢山のお金を支払ったと思っているようです。
登記などの場合は、どの司法書士に頼んでも登記の完了については、同じ結果ということになります(逆に、違ってたら困る)
だから、少しでも費用を抑えたいと思えば、報酬が安い司法書士に頼むというのも一つの選択肢だと思います。
しかし、家族信託の場合は状況が違います。
登記は、成立した法律事実を公示するというものですが、家族信託はある意味コンサルティングです。
関わる専門家の力量の違いというか、掛ける時間の違いだったりで全然違う契約書が出来ます。
契約書の不出来は、家族内での問題を増やす結果となります
契約書を作成するにあたっては、依頼者の家族のこと、財産の調査、希望などをじっくり聞いて、
遺言書は必要か?任意後見制度の利用はしておいた方がいいのでは?などひとつひとつ検討します。
それをご家族に説明して、理解してもらうというところまで含めたら、普通に3ヶ月~6ヶ月は掛かるはずなんです。
それを1ヶ月やそこらでチャチャっと作るとすれば、しっかり話を聞いていないということになりそうです。
(様々な事情で、短期間で集中して打ち合わせて作るケースもあります)
そして、将来想定される問題点に備える内容にすれば、契約書もA4サイズで4〜5枚くらいのボリュームにはなるでしょう。
そうなれば、司法書士の報酬もそれなりの金額になるはずなんです
もし、低額で家族信託の契約書を作成するというなら、逆にきちんとした契約書が出来上がるか?を心配した方がいいかもしれません。
なぜ、こんなことを書くかというと、にわかで家族信託をお薦めして、契約書を作成しているケースがあるんです。
信託にする必要がないのに、無理に信託にしているものや、どこかの書籍のひな形に落とし込んだだけの契約書などのオーダーメイドとは言えない代物などなど…。
大切な家族の未来を託す家族信託ですから、責任をもってきちんと仕事をしてくれる専門家を選ぶ事が、家族信託成功のポイントかもしれませんね・・・